Q&A就活Q&A
Q
特集記事

内定承諾後に辞退できる?やむを得ない場合の対処法

その他2026-05-13
A

内定承諾書を提出した後でも辞退したいという状況は、就活生の中で珍しいことではありません。結論として、内定承諾後であっても法的には辞退が可能です。ただし、道義的な配慮と誠意ある対応が不可欠です。ここでは、承諾後辞退の法的根拠から具体的な辞退方法、電話・メールの例文まで詳しく解説します。

内定承諾後の辞退は法的に可能か

労働契約上、辞退は認められている

内定承諾書を提出すると、法的には「始期付解約権留保付労働契約」が成立したとみなされます。しかし、民法第627条により、労働者は2週間前までに申し出れば労働契約を解約できるとされています。

つまり、内定承諾後であっても、入社日の2週間前までに辞退の意思を伝えれば法的には問題ありません。

重要なポイントは以下の通りです。

  • 内定承諾書には法的な拘束力はない(強制的に入社させることはできない)
  • 損害賠償を請求される可能性は極めて低い
  • ただし、企業が採用活動を終了していた場合など、損害が発生した場合は請求される理論上の可能性はゼロではない
  • 実務上、企業が就活生を訴えるケースはほぼない

法的に可能でも道義的な問題はある

法的に辞退が可能だからといって、安易に承諾後辞退をして良いわけではありません。企業は内定承諾を受けて他の候補者を不採用にしたり、入社準備を進めたりしています。承諾後辞退は企業に大きな損害を与えるため、最終手段として考えるべきです。

承諾後辞退を決断すべきケース

やむを得ない理由の例

以下のような場合は、承諾後辞退もやむを得ないと考えられます。

  • 本命企業から内定が出た場合(承諾時には不合格だと思っていた企業から繰り上げ内定が出た等)
  • 家庭の事情で勤務地や勤務形態の変更が必要になった場合
  • 健康上の理由で入社が困難になった場合
  • 進学(大学院など)を決意した場合
  • 企業の不祥事や経営悪化が発覚した場合

「なんとなく不安になった」「友人の内定先の方が良さそう」といった曖昧な理由での辞退は、後悔する可能性もあるため慎重に判断しましょう。

承諾後辞退の方法とタイミング

できるだけ早く、電話で直接伝える

承諾後辞退で最も重要なのは「スピード」です。辞退を決めたら、その日のうちに電話で連絡しましょう。

承諾後辞退の手順は以下の通りです。

  1. 電話で採用担当者に辞退の意思を伝える
  2. 可能であれば直接訪問してお詫びする
  3. メールで改めてお詫びと辞退の旨を伝える
  4. 必要に応じて書類を返却する

通常の内定辞退以上に丁寧な対応が求められます。メールだけで済ませることは避け、できれば直接訪問してお詫びするのが望ましいです。

タイミングの目安

  • 入社の3ヶ月以上前:企業側の対応余地が大きく、比較的円満に辞退できる
  • 入社の1〜3ヶ月前:企業に負担がかかるが、まだ対応可能な場合が多い
  • 入社の2週間〜1ヶ月前:企業への影響が非常に大きいが、法的には辞退可能
  • 入社直前:企業への損害が甚大であり、可能な限り避けるべき

承諾後辞退の電話スクリプト例文

基本的な電話スクリプト

「お忙しいところ恐れ入ります。内定をいただいております、○○大学の○○と申します。人事部の○○様はいらっしゃいますでしょうか。」

(担当者につながったら)

「お忙しいところ大変申し訳ございません。内定を承諾させていただきました○○大学の○○です。本日は大変お伝えしにくいことなのですが、内定の件でご相談させていただきたく、お電話いたしました。」

「誠に身勝手なお願いで大変恐縮なのですが、一度承諾させていただいた内定を辞退させていただきたいと考えております。内定をいただいてから改めて自分のキャリアについて深く考え直した結果、このような結論に至りました。承諾した後にこのようなお願いをすることは大変失礼であると重々承知しておりますが、何卒ご理解いただけますと幸いです。」

(理由を聞かれた場合)

「承諾後に、以前から志望しておりました企業から内定をいただきました。大変悩みましたが、自分の将来を考えた結果、そちらの企業に挑戦したいという気持ちが強く、このような決断に至りました。御社にご迷惑をおかけすることは十分理解しており、直接お詫びに伺いたいと考えておりますが、ご都合のよい日時はございますでしょうか。」

訪問を提案する場合

「お電話だけでは誠意をお伝えしきれないと感じておりますので、直接お伺いしてお詫び申し上げたいと考えております。ご迷惑でなければ、お時間をいただけないでしょうか。」

承諾後辞退のメール例文

電話後のフォローメール

件名:内定辞退のお詫びとご連絡(○○大学 ○○)

○○株式会社
人事部 ○○様

お世話になっております。
○○大学○○学部の○○と申します。

先ほどお電話にてお伝えいたしましたが、
改めてメールでもお詫びとご連絡をさせていただきます。

この度、一度内定を承諾させていただいたにもかかわらず、
辞退のお願いをすることとなり、誠に申し訳ございません。

選考の過程では、○○様をはじめ多くの方にお世話になり、
御社の事業内容や社風の素晴らしさを深く感じておりました。
そのような御社に対してこのようなご連絡をすることは
大変心苦しく、自分の判断の至らなさを痛感しております。

承諾後にこのような結果となり、御社の採用計画に
多大なご迷惑をおかけしますことを深くお詫び申し上げます。

つきましては、内定承諾書その他書類の返却など、
必要な手続きがございましたらご指示いただけますと幸いです。

重ねてお詫び申し上げますとともに、
貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。

○○大学○○学部○○学科
○○ ○○(氏名)
電話番号:090-XXXX-XXXX
メールアドレス:xxxxx@xxxxx.ac.jp

誠意の見せ方

直接訪問でお詫びする

承諾後辞退の場合、可能であれば直接訪問してお詫びするのが最も誠意が伝わる方法です。訪問の際は以下のポイントを意識しましょう。

  • スーツを着用し、身だしなみを整える
  • 菓子折りなどの手土産は不要(かえって失礼になる場合がある)
  • 辞退理由を正直に、簡潔に伝える
  • 言い訳がましくならないよう注意する
  • 相手の反応に対して冷静に、丁寧に対応する

感謝の気持ちを具体的に伝える

「選考を通じて○○について学ばせていただきました」「○○様のお話が大変勉強になりました」など、具体的なエピソードを交えて感謝を伝えると、より誠意が伝わります。

最後まで丁寧な対応を心がける

辞退が受理された後も、企業からの連絡には必ず返信しましょう。書類の返却が必要な場合は速やかに対応し、手書きのお詫び状を添えるとより丁寧な印象を与えられます。

承諾後辞退でよくある不安への回答

損害賠償を請求されることはあるか

実務上、企業が就活生に対して損害賠償を請求するケースはほぼありません。企業にとっても訴訟コストの方が高くつくため、内定辞退で訴えられたという事例は極めて稀です。ただし、入社直前に辞退した場合や、企業が辞退者のために特別な準備をしていた場合などは例外的にリスクが高まります。

大学や後輩に迷惑がかかるか

承諾後辞退が大学のキャリアセンターに伝わり、翌年以降の採用枠に影響する可能性はゼロではありません。そのため、辞退する際はキャリアセンターにも事前に相談しておくと良いでしょう。

同じ業界で悪い噂が広まらないか

同じ業界内で人事担当者同士がつながっている場合、辞退の情報が共有される可能性はあります。だからこそ、誠意ある対応をして円満に辞退することが重要です。

承諾後辞退は、企業への影響が大きいため可能な限り避けるべきですが、人生を左右する決断である以上、やむを得ない場合もあります。大切なのは、できるだけ早く、最大限の誠意を持って対応することです。この経験を社会人になってからの信頼構築に活かしていきましょう。

内定承諾後辞退法律電話メールマナー