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第一志望に落ちて第二志望に行った人は、その後幸せになれた?

その他2026-05-16
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質問内容

大学4年生の女です。先日、第一志望の企業に最終面接で落ちてしまいました。今は第二志望の企業から内定をもらっている状態ですが、正直まだ気持ちの整理がつきません。周りの友人には「受かったんだからいいじゃん」と言われますが、SNSで第一志望に受かった人の投稿を見ると胸が苦しくなります。第二志望の会社も悪くないとは思うのですが、「ここで本当にやっていけるのか」「もっと就活を続けるべきだったか」と毎日ぐるぐる考えてしまいます。第一志望に落ちて第二志望の会社に行った人たちは、その後どうなったのか教えてほしいです。

この記事のポイント

  • 第一志望に落ちた悔しさは自然な感情だが、入社後の満足度とは別問題である
  • 入社後の幸福度は「どこに入ったか」よりも「入った場所でどう過ごしたか」で決まる傾向が強い
  • 「第二志望だった」という事実が、逆にキャリアを切り拓く原動力になるケースも多い

第一志望に落ちたその後、データが語る意外な真実

就活において第一志望の企業に落ちることは、実は珍しいことではありません。ある大手就職情報サイトが実施した調査によると、第一志望の企業から内定を獲得できた学生は全体の約3割にとどまるという結果が出ています。つまり、約7割もの就活生が第一志望以外の企業に入社している計算になります。あなたは決して少数派ではないのです。

さらに興味深いのが、入社後の満足度に関する追跡調査です。民間の調査機関が発表したレポートによると、「第一志望で入社した人」と「第二志望以下で入社した人」の間で、入社3年後の仕事満足度に統計的な有意差は見られなかったという結果が示されています。入社時点の志望順位と、入社後に感じる幸福度や充実感は、必ずしも連動しないということです。

この背景には、心理学でいう「認知的不協和の解消」というメカニズムが関係しています。人間は自分が行った選択を正当化しようとする心理的傾向を持っており、入社後に「この会社で良かったと思える理由」を無意識のうちに見つけていくのです。ただし、これは何もしなくても自動的に起こるわけではありません。目の前の仕事に真剣に取り組み、小さな成功体験を積み重ねることで初めて、「ここに来て良かった」という実感が湧いてくるのです。

長期的なキャリアの視点で言えば、新卒で入った会社がそのまま生涯のキャリアになる人は、今の時代では少数派です。転職が一般的な選択肢となった現在、最初の就職先はあくまで「キャリアの出発点」に過ぎません。第一志望の会社に入っても3年で辞める人がいれば、第二志望、第三志望の会社で10年以上にわたって活躍し続ける人もいます。最終的にキャリアの充実度を決めるのは、入った場所でどれだけの力を蓄え、どれだけの経験を積めたかなのです。

第一志望に落ちた3人の「その後」

Aさん(理系・男性・旧帝大・素材メーカー研究開発 入社7年目)

Aさんの第一志望は、研究者なら誰もが憧れる大手化学メーカーでした。大学院での研究テーマとも合致しており、OB訪問でも手応えを感じていました。しかし最終面接で不合格の通知が届き、「自分の2年間の研究は認めてもらえなかったのか」と大きなショックを受けました。

第二志望だった中堅の素材メーカーに入社することを決めましたが、入社式の日も気持ちは晴れませんでした。「正直、ここにいるべきじゃないという思いが拭えなかった。第一志望に受かった研究室の同期がSNSに投稿する入社式の写真を見るたびに、悔しさで胸が張り裂けそうでした」。

しかし入社2年目に転機が訪れます。自分が主担当として進めていた研究テーマが、わずか2年で商品化に至ったのです。「大手の化学メーカーでは、一つのテーマが商品化されるまで5年、10年かかることも珍しくないと聞きます。中堅企業だからこそ研究者一人あたりの裁量が大きく、意思決定も速かった。若手のうちからここまで主体的に研究をリードできる環境は、大手では得られなかったかもしれません」。

5年目には社内で特許を2件取得し、社長賞を受賞。業界の学会でも注目される研究成果を上げました。「7年経った今では、あの不合格がなかったら今の自分は存在しなかったと心から思えます。先日、第一志望だった大手化学メーカーのOBと学会で話す機会がありました。『君の会社の若手の方が、うちの若手よりずっと濃い経験を積んでいるね』と言われたとき、長年の悔しさがようやく報われた気がしました」。

Bさん(文系・女性・MARCH・広告代理店 入社3年目で退職)

Bさんの第一志望はテレビ局でした。幼い頃からテレビ番組の制作に憧れがあり、大学でもメディア論を専攻。エントリーシートも面接も全力で臨みましたが、結果は不合格。悲しみのあまり3日間部屋から出られなかったそうです。

第二志望の広告代理店に「仕方なく」入社しましたが、気持ちの切り替えがうまくいきませんでした。「入社してからもずっと『本当はテレビ局に行きたかった』という思いが消えなかった。仕事にも本気になれず、同僚との飲み会でも『自分は本当はここにいるべき人間じゃないんだけどね』と愚痴を言ってばかり。今振り返ると、本当に最悪の態度でした」。当然ながら仕事の成果も上がらず、上司や同僚との関係も徐々に悪化。3年目に退職を選びました。

その後、映像制作会社でアルバイトを経て、現在は小規模な映像プロダクションで正社員として働いています。「広告代理店での3年間を振り返ると、最大の失敗は第二志望の会社を心の中で受け入れられなかったことです。広告の仕事に本気で取り組んでいたら、クリエイティブスキルもプレゼン力も、もっとたくさんのことが身についていたはず。それらは映像制作にも直結する能力でした。第二志望を全力でやり抜いていたら、そこからテレビ業界への道も開けていたかもしれないのに。不合格の事実よりも、その後の自分の向き合い方こそが問題だったと、ようやくわかりました」。

Cさん(文系・男性・地方私大・物流企業 入社5年目)

Cさんの夢は航空業界で働くことでした。空港で働く人々に憧れ、航空会社やグランドハンドリング会社を中心に就活を進めましたが、すべて不合格。「空に関わる仕事がしたい」という夢は断たれたように感じました。最終的に、大学のキャリアセンターから紹介された物流企業の選考を受け、内定を得ました。

「物流業界に対して正直、何のイメージも持っていませんでした。『倉庫で荷物を運ぶ仕事なのかな』くらいの認識で、面白くなさそうだし、航空業界とは縁もゆかりもないと思っていました」。ところが入社後、国際物流部門に配属されたことで事態は一変します。Cさんが担当することになったのは、航空貨物の輸出入手配でした。「まさか物流の仕事で空に関われるとは思ってもみなかった。航空会社と毎日やり取りをし、貨物のスペースを確保し、世界中に荷物を届ける。形は違うけれど、確かに空とつながっている仕事でした」。

3年目には海外拠点との交渉を一任されるようになり、年間の取扱高を前年比115%に伸ばしました。英語力も飛躍的に向上し、5年目の現在はアジア地域の物流戦略を担当しています。「航空会社に受かっていたら、きっと空港の中だけの世界で働いていたと思います。でも物流という切り口から空に関わることで、サプライチェーン全体を俯瞰する力が身につきました。5年目の今、もし航空会社に受かっていたらどうだったか、と考えることはほとんどありません。物流の奥深さと面白さに気づけたのは、航空業界に落ちてくれたおかげです。最初の動機が何であれ、入った場所で本気になれるかどうかがすべてだと実感しています」。

第二志望を「自分の居場所」に変えるための行動指針

まず大前提として、悔しさを無理に消そうとする必要はありません。 第一志望に落ちたショックや悲しみは、それだけ本気で取り組んだ証拠です。大切なのは、その感情を引きずって目の前のチャンスを逃してしまわないことです。「悔しい、でもここで結果を出してやる」と切り替えること。それが最初の一歩になります。

入社前に、第二志望の企業を「改めて深く調べ直す」時間を設けましょう。 就活中は第一志望の企業研究に時間を注ぎがちで、第二志望については意外と知らないことが多いものです。改めてOB・OG訪問をしたり、企業の経営方針や強みを調べ直したりすることで、入社前に前向きな気持ちを育てることができます。

入社後は「最初の半年で一つ、具体的な成果を出す」ことを目標に設定しましょう。 大きな成果でなくて構いません。小さくても自分の力で何かを成し遂げた経験は、「この場所で自分はやっていける」という自信の種になります。その種が芽を出し、いずれ大きな自信に育っていきます。

「この会社で3年間で何を身につけるか」を具体的に決め、そこから逆算して日々の行動に落とし込みましょう。 目的意識を持って働くことで、「第一志望でも第二志望でもない、自分自身のキャリア」を主体的に構築していくことができます。

注意しておきたいポイント

「第一志望に落ちた自分はダメな人間だ」という自己否定の罠に陥らないでください。就活の合否は、あなたの能力だけで決まるものではありません。面接官との相性、その年の採用枠、他の応募者との比較、さらにはタイミングや運の要素まで、さまざまな変数が絡み合っています。不合格通知は「あなたに価値がない」という意味ではなく、「今回のマッチングでは縁がなかった」というだけのことです。

また、「いつか第一志望の会社に転職してやろう」という執念を持ったまま入社することもおすすめしません。その執着があると目の前の仕事に集中できず、結果として第二志望の会社でも成果が出ず、転職市場でも評価されないという悪循環に陥りがちです。

まとめ

第一志望に落ちて第二志望の企業に進むことは、就活生の多数派が経験する道のりです。そして入社後の満足度や幸福感は、志望順位ではなく、入社した場所でどれだけ真剣に仕事と向き合えたかによって決まる傾向にあります。悔しさをバネにして目の前の環境で全力を尽くせば、数年後には「ここに来て本当に良かった」と思える日がやってきます。あなたのキャリアを決めるのは就活の合否ではなく、これからのあなた自身の行動です。

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